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2019.09.11 Wednesday

「停電とロウソクの火」

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「停電とロウソクの火」

丸川春潭

 15号台風が過ぎてから、三日目になっても未だ50万戸の停電が続いているとのこと、被災者の方々にお見舞い申し上げます。

 潮来市の拙宅も台風の進路にあたり、風害が隣近所と同様大分やられましたが、一番困ったのが停電でした。冷凍物が一度に溶けてどう始末するかを家内は心配しており復旧が時間の問題でした。そして何より猛暑のぶり返しの中でエアコンが効かないのにはジリジリとして耐えていました。

 幸いこの地区は12時間くらいで電気が回復して安堵しました。久しぶりに電気のありがたさを痛感しました。

 朝6時過ぎに激しかった暴風雨の風向きが急変しまた風も幾分か収まりました。起き上がって停電に気づきましたが、未だ直ぐに見廻る状況にもないので、いつものように朝座と朝茶をロウソクの灯火のもとでしましたが、久しぶりのロウソクの灯火に魅せられました。

 電灯と違い、ロウソク(蝋燭)の灯は暗く、そして揺れるのです。灯が揺れることにより影が目立ちだすことにも気が付きました。

 白い個体の蝋が温められて透明な液体になり、ロウソクの芯を伝って燃えだし辺りを照らしそして気体となって消えて行く。

 ロウソクの灯を見つめているとそれだけで絶対の切り口に入ってゆく。

 ロウソクは人間の一生の全貌をそこに見事に展開して見せてくれている。

 ロウソクの灯の下で点てるお茶は茶筅を振る影も一緒に主客一味となる。

 茶事の一つに秋の夜話という茶席があり、電気を消してロウソクだけでやる茶会ですが、何十年か前の夜話茶席を思い出しました。

 三日も停電で難儀をされている人には申し訳ありませんが、ひとときのロウソクの灯を楽しませて頂きました。

 

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