社会人のための坐禅(座禅)道場【人間禅】

 

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2020.04.30 Thursday

テレワークと教育

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テレワークと教育

丸川春潭

 4月2日、12日、15日のブログで、コロナ・パンデミックについて考察しました。

 12日(その2)のブログでは、コロナ・パンデミックが現代の地球人が未だかって経験したことのない「差別をしない社会現象」であるという切り口での考察でした。15日(その3)では、人と人の接触を断つコロナ対策から見えてくるものは、過密都市は人間が正常に生活できる環境では無い、すなわち正常なソーシャルディスタンスを大前提にした社会形態を考えなければならないのではないかという考察でした。

 今回は、IT化→AI化の進行が今回のコロナ・パンデミックによって加速されるであろう事は既に各方面から指摘されていますが、その抽象的な方向性から掘り下げて、何がAI化して何がAI化しないかを再検証してみたいと思います。

 再検証と云いますのは、既に人間禅HPのブログとして「A I 時代と禅」を昨年10月(2019.10.5)投稿し、また今年3月東京荻窪支部創立記念事業として発刊した拙著『A I 時代と禅』(2020.3.22)で考察しているからです。

 新型コロナの蔓延防止策として、在宅勤務すなわちテレワークという小生は聞き始めの仕事形態が試みられ、そして大都会で急速に普及して来ています。これはまさに前回のブログの問題提起を解決する有力な施策であり、この方向はパンデミック終息後もこれを契機に日本社会に定着すると考えられます。まさにIT化・AI化の走りが今回のパンデミックで加速されると思います。

 ここで先にも触れた問題提起ですが、テレワーク等を駆使して人間が接触しないでできる仕事とできない仕事をその理由も含めて整理しなければならないと考えます。既に前報のブログで、体に触れなければできない仕事ということで医療関係、整体関係、美容理髪関係など事例を挙げていますが、もっと全般的に鳥瞰し仕分ける必要があります。

 国や地方の立法・行政事務、裁判等の司法事務の大部分のテレワーク化は可能であると思います。これだけでも何百万人もの人が過密東京から離れることが可能になります。企業の本社が東京に集中していますが、立法・行政機能が東京から地方に分散されれば、東京に本社を置かねばならない必然性はなくなり、これまた膨大な人口の分散に繋がります。また東京には日本の半分くらいの学校が集中していますが、教育のテレワーク化は一概には言えない問題です。すなわち簡単に断定できない問題です。

 この教育問題を具体的事例として、人の接触の必要有無を考えてみたいと思います。教育対象をゼロ歳児保育から大学院教育まで広く検証するとして、義務教育までは実際に体に触れる必要があるので要接触型でしょう。高校生から大学院までは良い悪いは別にして現状ではほぼ知識教育であり、非接触でもほとんどが可能なので、非接触型に仕分けして妥当でしょう。これらに対して小・中学校の義務教育は接触か非接触かの線引きが難しい対象になります。その理由は、知識教育のみならず精神教育(心の教育・情操教育)がそのコンテンツとして求められているからです。

 精神教育(心の教育・情操教育)がテレワークでできない接触型であると定義するには少し説明を要します。

 

 この図の左の相対樹領域は知性の領域であり、知識の習得はこのジャンルでできますが、心の教育や情操教育は右側の絶対樹すなわち感性の場・人格の場に行かなければ実施できません。この感性教育の中でも非接触で相当まで進められる部分もありますが、物理的に身体に触れると云うことではありませんが、面と向かって対応しなければならないということでテレワークでは肝心なところはできないものです。人格形成に関わるところは接触型でなければ深いところには行けないのです。もちろん指導する先生の感性が深く磨かれていなければならないのはもちろんです。

 こういう接触型の精神教育に加えて体育などは物理的に身体に触れるとか、集団での修練も必要な場合もあり接触型でなければならないと考えられます。したがって、小・中学校の義務教育は生徒が学校に集まる必要があり、A I がいくら進んでも学校に生徒が集合してやる教育形態は残ると考えられます。また0歳児から小学校までもできるだけ地域に密着した施設が必要であり今後とも充実させて残す必要があります。そしてこれら以外の高校・大学はほとんどがテレワーク型に移行できると考えられます。したがって公立私立を問わず、大学を中心として都市から地方への移転は可能であります。これでまた大都市の分散化が進みます。

 人と人の繋がりにおいて非接触でも繋がりを保てるものはスマホのようなよりパーソナルな形で利便性や機能性をより充実させつつ過密を避けた生活圏の構築を進める一方、教育関係特に人格形成に関わる接触型の文明は今以上に分散地域毎に充実が図られてゆかなければならないと考えます。

 コロナ・パンデミックの災いを教訓として、人類の進むべき非密集地域作りの方向を考えこれを共有し歩み始めたいものであります。

 

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