社会人のための坐禅(座禅)道場【人間禅】

 

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2020.05.12 Tuesday

コロナ休暇

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コロナ休暇

丸川春潭

 4月の年間スケジュールでの摂心会は、岡山、宇都宮、本部(市川)が予定されていましたが全てキャンセルになり、5月においても5日までの本部行事、豊橋、岡山、名古屋の摂心会も全てキャンセルになりました。これは考えて見れば、師家になってからの15年間で初めての経験です。摂心会が2ヶ月続いてない事態に突然なってしまいました。

 非常事態宣言が発出され、外出自粛が厳しく要請され、stay home が義務づけられる中で、中小企業家や個人商店は経営の持続に四苦八苦する一方、自宅巣籠もりの大人も子供もストレスが溜まり、いろいろ問題も起きているようです。小生は暇を持て余しているのではと言われ、そう思われるのも当然かなと思いますが、意識的にはそんなことは全くありません。むしろ宝くじにでも当たったような(その経験こそ残念ながらありませんが(>_<))、この突如恵まれたコロナ休暇を今までやりたかったけどできなかったことを楽しんでやっています。

 従来から自宅に居るときの習慣になっている日課(朝晩の座禅、朝のお手前茶、散歩4千歩以上、スクワット30回以上を2回)はそのまま従来通りやっていますが、その残りの時間が何をやっても良い時間であり、文字通り有り難いものです。

 時間があったらやりたかったことは、懸案になっている樋の詰まり修復などの作務とか、大きくなりすぎた大木の庭木、繁り放題の庭木の剪定、累積した書斎の整理(特に住金時代の資料の断捨離)などありますが、この際是非にというのは読みたかった本の読破です。

 四月中に、『未来への大分岐』集英社新書を読み切ることができました。小生にとってはなかなか難解な本でしたが、想定以上に大変勉強になりました。日本の新進気鋭の哲学者(斉藤幸平:33歳)がマイケル・ハート(アメリカの哲学者・比較文学、60歳)、マルクス・ガブリエル(ドイツ哲学者、教授、40歳)、ポール・メイソン(英国、経済ジャーナリスト、60歳)の現代思想家を代表する3人との対話で現代社会を論じているものです。

 我々は在家禅者として、禅による人間形成を実践しつつ、市井の一市民として次の世代に人間社会をどうバトンタッチして行くのかの責任があります。その為には、新聞・テレビの情報だけでは些末で目先過ぎます。少なくとも100年くらい遡って、世界がそして日本がどう歩んできたのかの歴史の勉強の上に立ち、現代は歴史的にどういうステージにあるのかを客観的に先ず認識する必要があります。しかし歴史書を繙いても、一概に思想・政治・経済の流れを自分で読み取ることは大変難しいことです。この本は、高々350頁ほどの新書版です。彼らが膨大な歴史書を読みよく考えて語ってくれているので、格好の時代を読む参考書になっています。鵜呑みにすることでは無く、参考にしたら良いのですが、想定以上に勉強になり、何が今大きな人類的課題になっているのかが漠然とですが判りました。

 冒頭に、“Think Big!”と出ています。目先の政治や経済の動向を個々の現象に囚われることなく、大きく考えることの必要性を説いているのです。人間形成の禅とは次元が違うけれども無縁では決してありません。すなわち民主主義がどう変容して大衆迎合のポピュリズムになるのか、どうして再びナチズムのような全体主義が台頭してくるのか?資本主義がどう変容し壁に直面しているのか?将来の読めない膠着状態と並行して進む格差社会をどう打開するのか?これからの社会体制として何を新進気鋭の彼らは考えているのか?は、まさに一市民として“Think Big!”しなければならないところです。皆さんも今回降って湧いたようなコロナ休暇を利用して是非大きく考えて見て下さい。

 

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