老師通信

人間禅の老師による禅の境涯からの便りです。
人間禅のホームページにもお立ち寄りください。

人間禅のホームページはこちら 老師通信一覧はこちら

 

<< 五 戒 | main | 芭蕉『笈の小文』より、その2 >>
2020.05.21 Thursday

新型コロナと共生する時代の摂心会

JUGEMテーマ:

 

新型コロナと共生する時代の摂心会

 

稲  瀬  光  常

 

 人間禅では、この3月から5月にかけてほとんどの支部や禅会において摂心会が中止された。5月の本部行事が全て中止されたのも、人間禅創立以来70年の歴史の中で、はじめての出来事であった。

 これは言うまでもなく、新型コロナの日本全国での爆発的な感染が予測される中で、国が緊急事態宣言を発出し、国民全体に不要不急の外出を自粛するよう要請するという前代未聞の対策に適切に対応すべく、各支部や禅会が摂心会を中止したものであり、極めて妥当なものであった。

 幸いにも、5月も下旬を迎へた現在、我国においては新型コロナの感染は低いレベルで押えられ、首都圏と北海道を除く地域においては、緊急事態宣言は解除され、国民生活を日常に戻す活動がはじまっており、早晩首都圏や北海道もこれに続くものと思われる。

 このような状況認識の下で、人間禅の活動、特にその中心をなすところの各支部、禅会における摂心会の再開をどのように行っていくかということは、今私たちが対処しなければならない最大の課題である。

 先般、人間禅の本部より摂心会を再開するに当ってのガイドラインが示されているので、これをベースとして各支部、禅会で更に工夫をして感染予防に万全を期しつつ実施していくことになると思われるが、会員の中には、性急な再開に疑念をもつ向きもあるかも知れないと思う。

 万に一つも自分が感染しては、社会的な立場上大変なことになるので、ワクチンが開発されて全く問題がなくなるまでは、参加を見合わせたいと思う人や、感染すれば重篤になり易いと言われている持病を持っている人の中には、もっとはっきりした特効薬でも見つからない限り、参加を見合わせたいと思う人もいるのではないかと思われる。

 そのように慎重な対処をしようとする人に対し、単なる精神論を振りかざして会員ならば当然摂心会に参加すべしと強制することがあってはならないことは言うまでもない。

 最終的には、会員一人一人がどのように判断を下すかにかかっている訳であるが、私たちは既に科学的知見に基づいて感染拡大期においては摂心会を中止するという決断をもって対処してきた。次は感染減退期における適切な対応とは何かということが、工夫されねばならない。新型コロナは正しく恐れねばならないとよく言われるが、感染の危険がかなり低くなったにも拘わらず必要以上にそれを怖れて、人間禅の生命とも言うべき摂心会の開催に二の足を踏み、いわゆる角をためて牛を殺すことになってはならないのではないかと思う。

 新型コロナはこれを完全に駆逐することは困難で、如何にして共生していくかを考えなければならないことが指摘されており、将来改めて感染が拡大する可能性も否定できない訳で、その折には国や都道府県の施策もにらみながら、再度中止する決断が求められる場合もあるであろう。しかし現状においては、人間禅の各支部、禅会は如何にすれば安全な摂心会を厳修することができるかという前向きの姿勢で、摂心会の再開に取り組むべきときではないかと思う。

 状況を総合的に観察し、これに的確に対応するのは、正に禅の修行者としての私たちの力がためされる法戦場裡というべきである。

 

コメント
はじめまして、鈴木と申します。私は年内は、摂心不参加の予定です。以下、私見です。健全な対話、情報の交換こそ、危機に対峙するにあたって重要だと考えています。詰まるところ、お聞きしたいこととは、摂心をおいて他にやることはないのか、それは不要不急で本当に今でなければいけないのか、ということです。


--
今般の情勢下で、摂心等催事を行う人間禅に対してとても失望している。

理由は大まかには2点、

1.科学的視点の欠如
今般の情勢で泊りことの催事を行うことの安全性を積極的に支持する科学的根拠は今の時点において一切ない。

2.社会的視点の欠如
感染者・集団感染・死者が発生した場合の考察がない。係る事象が発生した場合に追及される社会的責任の追及に対して、催行している内容が不要不急でないと説明する積極的論拠がない。

科学的でなく、社会的でない宗教行為を行う集団をセクトと呼ぶ。私の場合、セクト行為に加担することはしない。人間禅は科学的あることを標榜し、また世界楽土建設という社会的視座に立った団体と自称しているが、まったくの看板倒れである。


つまり具体的に、集団感染が起こらない可能性はあり、それが起きた場合にガイドラインに定めてやっていたから我々は悪くありません、という釈明が通らないという見識がない。なぜこの時期にその宗教活動が必要だったのか、泊り込みが必要だったのか、県境を越えた移動が控えられなかったのか、今月やらないければならい緊急性があったのか、という常識的追及に一切答えられない。

一方で人間禅の活動を少なからず社会の人々の協力と理解によって支えられているものであるから、その期に及んではそうしたものの一切が受けられないという可能性がある。その時の社会的制裁をどのように想定しているのか、していないものと推察する。つまり、その時の社会が下す人間禅の評価は、科学的でなく社会的でないセクト集団であり、危険であるというものである。


より大きな視点としては、国の政策がどうだからどうするという態度。自ら思考して国の如何にかかわらずどうするという意気がない、かつての禅がそうであったようにむしろ国を輔弼するというような意気は毛頭ない。世界楽土建設を目的に掲げながら、世にどうするべきかを発信することも具体的な活動をすることでもなく、社会的に迷惑をかけるかもしれない催事を、世の中の隅っこで恐る恐るやっているというのが、禅の修行者のあるべき風景だろうか。

逆に社会的な視点でなく、ミクロな視点として、感染者・集団感染・死者が出た場合に、中止可能つまり回避可能な催事を行うことによって発生した損害に対する責任・保障の問題についてはどのように考えるのだろうか。係る事象発生時に及び影響の範囲は、組織内・会員内にとどまるものではないことは明らかである。


最後に、「禅会は如何にすれば安全な摂心会を厳修することができるか」は科学的でなく、努力の方向性として違うと考える。科学的には、我々は現在の状況がよく分かっていないという認識に立つべきで、掲げられた命題は今の人類の何人にとっても不可知である。以下は、2月時点で岳南支部で摂心催行において提案した事項であるが(私は不参加、不参加の理由として挙げたものも最後に付記する)、このいう方向の努力を重ねることが、今行うべき工夫だとは上述の認識に立って今の時点でも思わないでいる。
  • 鈴木一渓
  • 2020.05.24 Sunday 16:30
コロナウィルス危機管理マニュアル(案)2/16

〇臆値縦蠎圓 咳・発熱(37.5℃以上 が目安)、下痢、筋肉痛等の症状がある場合

・医療機関を受診してもらう
・岳南支部にその旨通報してもらう
・参加は辞退してもらう(キャンセルの場合の料金なども伝える)
  <岳南支部>自分がいないと困ると考えないで自重して欲しいと伝える。
  <他支部の方>祝いの席を欠席することを、失礼と考えないで欲しいと伝える。

∋臆値縦蠎圓、 流行国・流行地域から帰国し14日以内の場合
・参加は辞退してもらう


咳や発熱などの症状があるとの申告が、参加予定者から複数あった場合

以下のいずれかに該当する場合、摂心、記念式の中止(または延期)を決定する

・<岳南支部>3名以上
・<他支部の方>6名以上


参加予定者からコロナウィルス感染者が発生した場合

摂心、記念式の中止(または延期)を決定する



2.摂心、記念式の開催期間中

あらゆる事態を想定し、場当たり的な判断にならないようにする。


〇臆端圓ら咳や発熱などの症状があるとの申告があった場合

・マスクの着用を義務付ける(マスクの備蓄、体温計の用意)
・保健所へ連絡(静岡県熱海健康福祉センター :0557-82-9107)
・医療機関で受診させる(受診先を予め決めておく)(土日祝の救急当番医: https://www.city.atami.lg.jp/kurashi/kyukyu/1000518/1000519.html
・帰宅を勧奨する(結果が判明するまでの期間は、1日から数日かかる)


∋臆端圓ら咳や発熱などの症状があるとの申告が複数あった場合、

以下のいずれかに該当するとき、摂心、記念式を中止(または延期)する

・<岳南支部>2名以上る
・<他支部の方>4名以上


参加者のうちから 、コロナウィルス感染者が発生した場合、

摂心、記念式を中止(または延期)する



追記事項
1.摂心開催前の段階

名誉総裁または金剛庵老師に咳や発熱などの症状が出た場合
・参加を見送っていただく
・名誉総裁が不参加の場合には、金剛庵が担当師家となる

名誉総裁と金剛庵老師の両人に咳や発熱などの症状が出た場合
・摂心、記念式を中止(または延期)する

岳南支部長に咳や発熱などの症状が出た場合
・参加を見送っていただく
・副支部長が支部長を代行する

岳南支部長ならびに副支部長に、咳や発熱などの症状が出た場合
・摂心、記念式を中止(または延期)する

2.摂心、記念式の開催期間中
名誉総裁または金剛庵老師に咳や発熱などの症状が出た場合
・ただちに帰宅いただく
・名誉総裁が帰宅の場合には、金剛庵が担当師家となる

名誉総裁と金剛庵老師の両人に咳や発熱などの症状が出た場合
・摂心、記念式を中止(または延期)する

岳南支部長に咳や発熱などの症状が出た場合
・ただちに帰宅いただく
・副支部長が支部長を代行する

岳南支部長ならびに副支部長に、咳や発熱などの症状が出た場合
・摂心、記念式を中止(または延期)する



集団感染を防ぐために

咳や発熱などの症状が出た者が、交通機関の都合などで一泊せざるを得ない場合
・その者は文庫に宿泊させる。金剛庵にはペンションに移っていただく

ファンヒーターを焚き空気の乾燥した密閉空間となる道場は、特に就寝時、感染拡大の温床となる。
 50畳をカバーできるでけの加湿器を用意する
 窓は少しでも開ける


経口感染を防ぐために

典座
・帽子、手袋、マスクを着用する

食事
・料理の取り回しを止める
・都度、食器を洗う

消毒アルコールを用意

マスク(できれば参加人数×参加日数分)
 有事のパニックを防ぐ意味もある。
 N95マスクもある程度用意する。(少なくとも咳や発熱などの症状が出た者を車で送迎する人員の分は必要)

  • 鈴木一渓
  • 2020.05.24 Sunday 16:34
(続き)
濃厚接触を避けるために
 具体的には参禅室が高リスクな場所になる。
 両者のリスクが高まるので、いずれか一方或いは両方にマスクの着用を義務付ける


岳南道場をクルーズ船にしないために
 咳や発熱などの症状が出た時点で、摂心、記念式を中止(または延期)し、ただちに解散・下山する。
 仮に咳や発熱を発症した者が検診⇒陽性となった場合、道場にいる全員が高リスク者に指定され移動を制限される可能性がある(特に遠方で公共交通機関を利用しないと帰宅できない者)。

高リスク者を参加させない周知徹底
・熱や咳のある者
・ 高齢者で基礎疾患のある者
・公共交通機関を使った移動が必要な者
・感染地域への渡航実績が2週間以内にある者



リスクの定義

10 発症した参加者が死ぬ
9 発症した参加者が、重篤に陥る
8 参加者が会期後に渡って移動を制限される
7 参加者が集団で発症する
6 参加者が集団で感染する
5 参加者のなかから発症者が出る
---失敗ライン
4 摂心、記念式の運営が混乱する
3 参加者から発症が疑われる者が出る
---成功ライン
2 参加者から発症者が出ない
1 参加者が道場ならびに往復の経路で感染しない


ファクト
症状が出ない感染者も感染源になり得る
死亡率は中国の武漢で約4%
事態はピークアウトしていない
37・5度以上の発熱やせきなどで感染が疑われる


摂心、記念式ですが、成功の定義が、

「滞りなく運営し、80周年を祝う」

といったものから、

「発症者が出なければ大成功」

というものに変質してしまっている点は留意が必要で、
通常の成功の定義と異なり、この新しく定義された成功の実現に対して、
我々がコントロールできる要素(努力できること)が極めて小さいという点はよくよく考えなければならない。

ちなみに、我々にゆかりのある円覚寺は昨日、
3月の座禅会・提唱をすべて休止すると発表。


メモ:

次亜塩素酸水が効果的という報告があるので、
加湿器、霧吹きに入れて使う。

https://www.journalofhospitalinfection.com/article/S0195-6701(20)30046-3/fulltext

次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤)を水で薄めれば代替品ができるようで、
行政からの作り方の案内も多数出ているので、
効果的とされる濃度100ppm(0.01%)で作る。

ただ、食品添加物に指定されている次亜塩素酸ナトリウムもあるので、
安全性を考慮し、そちら(食添となっている方)を調達。


--

2月摂心 不参加の理由

・私が感染している可能性がある(検査をして陰性の判定を受けていない。検査は現状では発症していないので受けられない)
・新型ウィルスは発症していなくても、人に感染させる可能性がある。(感染力が強い。マスクも上述のとおり、その限りではない)
・参禅や侍者として、名誉総裁、金剛庵老師に感染させる可能性がある。(感染経路は特定されていない。一切の濃厚接触はリスクとされている)
・高齢者、糖尿病を含む持病を持つ者は、重篤に陥る危険性が高い(私が名誉総裁、金剛庵老師に危害を与える可能性がある)
・さらに集団感染となれば、岳南支部、人間禅の積み上げてきた無形の財産に対して与える損害は、取返しのつかない範囲のものになる。
  • 鈴木一渓
  • 2020.05.24 Sunday 16:36
コメントする








 
Calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>
Selected Entries
Categories
Archives
Recent Comment
Profile
Search this site.
Others
Mobile
qrcode