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2020.07.15 Wednesday

座禅時の呼吸の仕方は意識呼吸か自然呼吸か?

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座禅時の呼吸の仕方は意識呼吸か自然呼吸か?

丸川春潭

 東京荻窪支部では地元の方々に向けた催しとして「禅老師との対話」と云う集会を月に一回くらいのピッチで開催しています。やり方は拙著『AI時代と禅』を一節ずつ皆で読んでそれについて質疑応答を一時間ほどするのです。7月度は第三回目で第一章三節の「集中と三昧」の項でした。そこで出た質疑の一つに「数息観座禅の時の呼吸法で、吸う息とか吐く息を自然呼吸ではなく長くしたり強くしたりする意識的呼吸のやり方と自然呼吸と両方のやり方がありますが、どちらが良いのでしょうか?」という質問がありました。

 これに関連したブログとして6月18日に「座禅と徒然」(3)〜〜数息観座禅時の呼吸について〜〜がありますが、この質問の内容は入っていませんでした。そこでそのブログの補完を兼ねてこの質問に対する回答をブログにしました。

 マインドフルネスの創始者はベトナムの臨済宗の師家であるティクナットハン先生ですが、先生の呼吸は吸う息を三秒くらいゆっくり長くし、吐く息を一気に吐くという意識呼吸法であり、自然呼吸とは真逆です。人間禅の師家方でも 澄徹 ( ちょうてつ ) 月桂 ( げっけい ) 老師(岡山の慈恵病院院長、故人)は長く吐く意識呼吸を推奨され、 徳輶 ( とくゆう ) 信堂 ( しんどう ) 老師(函館の学校校長、故人)も同じでしかも周囲にも聞こえる音入りで明確な意識呼吸派でした。

 自然呼吸派は云うまでもなく、『数息観のすすめ』(このHP「人間禅出版図書」に収録していますのでご参照下さい)の著者の 耕雲 ( こううん ) 庵英山老師(人間禅創始者、故人)が筆頭であり、 一行 ( いちぎょう ) 義堂 ( ぎどう ) 老師(熊本の外科医師)もはっきり自然呼吸を明言されていました。

 すなわち人間禅のお師家さんでもいろいろおありであると云うことを踏まえて、先のご質問に対する答えは、小生の独自見解になります。

 『数息観のすすめ』に従って申せば、初期数息観・中期数息観までは意識呼吸の方が数息観三昧に入りやすい。したがって初心の方へは吐く息に集中するのでも吸う息に集中するのでも良いのですが意識呼吸が推奨です。ただ長く座禅をした人で後期数息観を試みるとなると意識呼吸では深まりません。すなわち後期は呼吸を意識しない数息観から数息観に依らない只管打坐になるので、これはもう自然呼吸でないとできません。

 小生の毎日の座禅の現状をそのまま申し上げますと、一炷香の前半は意識呼吸(吸う息を長く意識する呼吸)で数息観を深め、後半は自然呼吸で座禅三昧を深めるということになっています。(そしてこれで数息観評点もしています。)

 したがって小生の場合は現在二つのやり方のどちらにも偏らず常に両方やっていると云うことです。先達もどこを重視して云われているのかによって呼吸の仕方を云われているのかも知れません。

 そして質問に対する答えの締めくくりは、やり方はどちらが良いということではなく、いろいろ自分でやってみて自分流の呼吸法になって行くのが良いと思います。何故なら大切なことは呼吸の仕方にあるのではなく、如何に三昧を深く修するかですから。と申してお答えにしました。

 

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