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2020.08.08 Saturday

定年後の人生の模範 東海道一の大親分 清水次郎長と禅 第七章

 

定年後の人生の模範 東海道一の大親分 清水次郎長と禅

笹良風操

第七章 次郎長の禅
 次郎長は山岡鉄舟に心の底から惚れて、座禅の指導をおねがいします。
 鉄舟は明治13年3月30日に師匠の滴水禅師から師家としての允可をうけます。次郎長は臨済禅に正式に入門したのです。
 これ以後鉄舟は次郎長に公案(禅の問題)を与え本格的な禅の指導を行います。次郎長61才頃のことです。
 次郎長は座敷に座布団を重ねて敷き、床の間に掛けた鉄舟の書の前で坐禅を一生懸命したそうです。次郎長は言っています。
 「先生の字は不思議で、字を見ていると先生がこの字を読む時の声が聞こえてくるような気がする。」
 「座禅していると先生がこの字を書いておられる姿が浮かび一緒に座禅しているような気がする。」
 「ある日、座禅が進むと先生の字が自分の腹の中に入りそこに字が掛かっているような気がした。本当に不思議なことだが先生を知るとそういうような事があるのだ。」
 こうして座禅により与えられた公案の見解(解答)が得られると清水から汽車に乗って東京の鉄舟の家に行って、見解の是非を見てもらうという生活を鉄舟が亡くなる69才頃までつづけたのです。
 見解を見て貰うためには老師の部屋に入る前に廊下で1拝、部屋に入って老師の前で1拝、鈴を振られすんだらまた廊下で1拝、その拝は頭を畳に擦り付ける礼式で「俺は偉い」などというつまらぬ「我」のある人には出来ない礼式ですが、東海道一の大親分次郎長にそれができたところに次郎長の純真さ、偉大さがあります。

 

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