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2014.01.09 Thursday

古くて新しい「座禅」、易しそうで深い「座禅」(21)

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――古くて新しい「座禅」、易しそうで深い「座禅」―(21)―

丸川春潭

 

 明けましておめでとうございます。

 お正月のお茶のお菓子は、全国のどの流派のお茶席に云っても、花びら餅のようです。

 今年は、3日に市川の本部道場で有楽流の茶席で、また5日に熊本道場で肥後古流のお茶席で、6日に名古屋では表千家のお茶席で花びら餅を頂きました。

 いずれも花びら餅でしたが微妙に土地柄の特徴があります。

 6日の名古屋の茶席での花びら餅は岐阜のお菓子屋さんと云うことでしたが、今まで食べたことのない新鮮さが少しありました。

 それは真ん中に通している牛蒡に塩気が少しあり、また少し歯ごたえがあるもので、これはこれでなかなかのものだと感心しました。

 そして贅沢を言えば、お濃茶が花びら餅にはぴったりであります。よく練られたお濃茶を名古屋禅会で頂き幸甚でありました。

 

 

 今日は、座禅における数息観法の長所と短所についてお話ししましょう。

 座禅において数息観法を取り入れているのは、人間禅の法系である臨済宗系であります。

 これに対して、曹洞宗系では、大体において、数息観法に依らず、只管打坐一本で、ただひたすら無念無想の座禅のようであります。すなわち数息も行わず、ひたすら雑念を切って行く座禅であります。

 

 座禅にはこの二つがあるのですが、それらの長所と短所をちゃんと認識した上で、座禅をすると良いと思います。

 

 数息観法の良さは、座禅の初心者に向いている点であります。

 考える葦である人間が、いきなり無念無想になるということは、極めて難しいことです。

 何故かですが、脳科学で云いますと、頭頂葉は常に何かを考えている状態が定常状態であります。したがって目が覚めた覚醒状態でこれを意識的に止めると云うことは、非定常・非日常ということになります。

 

 以前に、アメリカの脳科学の専門家がチベットの瞑想僧の脳を詳細に実験して、瞑想・三昧に入ったときは、頭頂葉がSilentになり、変わって感性を司る前頭葉が活性(Active)になるということをこのブログでご紹介しました。

 そして前頭葉を活性(Active)にすることが、感性を磨き、人間力を増加し、創造力を付け、人間形成を深めるのだと申しました。

 したがって座禅の目的は、頭頂葉をSilentにし、前頭葉をActiveにすることであります。

 

 数息観法が初心者向きだという根拠を脳科学的に云いますと、頭頂葉を数息という仕事に専念させる方法だからです。

 頭頂葉をいきなりSilentにすると云うことは、頭頂葉の定常性・日常性から考えると大きなギャップであります。

 なかなか容易ではないのですが、取りあえず何も考えるな!ではなしに、数息だけはやりなさいと許すのです。

 当然こちらの方が、ギャップが少ないだけ入りやすいというものです。

 しかも数息観初期は、1から100までを少々何か考えていても、息を数えることを忘れず、数息を間違えない程度の緩い縛りで始めることを奨めています。

 中期に進むと1から10までをチラッとした念慮も差し挟ませない一念不生に厳しくした数息になるのですが、これでも未だ頭頂葉は、息を数えるという働きをしていますから、完全なSilentにはなっていません。

 数息観の後期というのが、曹洞宗系の只管打坐で、全く数息もせず完璧に頭頂葉をSilentにする段階であります。

 この後期はもう数息をしないのですから、数息観法とは言えないのであり、ここは深い座禅三昧のところです。

 これでお解りのように、まさに数息観座禅の長所であり且つ短所は、頭頂葉を少しは動かしているというところです。

 

 しかし中期を卒業して後期すなわち息を数えない只管打坐まで行くには、毎日座禅を一日一炷香としてやって、居士禅者の場合は、普通の人では10年はかかると思います。

 

 小生は50年以上数息観座禅を一日一炷香でやっていますが、毎日の座禅(45分)の三分の二から四分の三は数息観法で、最後の三分の一から四分の一が只管打坐になっています。

 これをご参考に一日一炷香を毎日少しずつ深めていって頂ければ幸いです。前にも申しましたが、継続は力なりです。年初に当たり、一日一炷香の誓願を立てられたら如何でしょうか?ご精進を心よりお祈りします。

合掌   春潭 拝

 

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