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2014.02.22 Saturday

「科学と禅」その5

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「科学と禅」その5

丸川春潭

 松江のお菓子が出たら「若草」について語らない訳にはいけないでしょう。松江の三大銘菓の一つで、山川に勝るとも劣らない銘菓「若草」があります。

 彩雲堂とか風流堂が有名ですが、山陰のようなところに、このような和風文化の粋のような格調の高い銘菓が伝統として継承されている日本文化の奥深さの素晴らしさを感じます。

 

 

 最近の脳科学の知見から、科学と宗教の差異について見てみたいと思います。

 有田秀穂(東邦大学医学部統合生理学教授)と、本庄巌(京都大学医学部耳鼻咽喉科名誉教授、人間禅名誉会員)による著書や情報を要約しますと、

 

 科学技術のようなロジカル思考は、脳の頭頂連合野の部位で行われます。

 これに対して感性を司り、宗教的洞察を行う脳の部位は前頭葉になります。

 

 いつもの相対樹・絶対樹で云いますと、相対樹が頭頂連合野であり、絶対樹が前頭葉に該当します。

 

 本庄慈眼先生から紹介頂いたアメリカの医学雑誌に掲載された最新の脳科学の実験レポートは非常に興味深い内容です。

 

 チベットの瞑想僧数人を使って調べた脳機能の研究結果は、瞑想に入ると常に活発に活動していた頭頂連合野が活動を停止し(サイレントになり)、それと入れ替わりに、前頭葉前端の前頭前野が活性化するという興味深い結果です。

 

 慈眼先生の解説では、頭頂連合野は、デジタルコンピューター機能であるとともに、その特徴は、自己の位置を他・他人との比較において常に明確にしようと働くのを特徴とします。

 

 これに対して、前頭前野は人格・感性を司り、他との差異を意識するのではなく同一性・一体感を感じ取る働きを特徴とします。

 

 これらの知見を総括すると、通常の社会生活においては、相対樹に該当する頭頂連合野の科学脳が活性に活躍して仕事をしており、そこから何らかの三昧行を行じて三昧境に入ると絶対樹に該当する前頭前野の宗教脳が活性になり宗教的洞察ができたり、感性あふれる働きが出てきます。

 

 人間形成は、絶対樹・前頭前野を鍛え充実することになり、禅における悟りを初め、宗教的感応は、この前頭前野の活性に全て依拠することになります。

 

 そしてその活性化には、先程の脳科学の研究レポートにもあるように、何らかの方法で三昧に到ることが必須となります。

 まさに、全ての宗教はそれぞれ独自の方法ですが、三昧に到る方途を必ず持っています。

 

 すなわち、その宗教宗派の本質に近づく方途には、三昧になる行が必ず付随しています。

 キリスト教の礼拝、イスラムのアラーに対する祈り、浄土宗の南無阿弥陀仏の唱名三昧、浄土真宗の念仏三昧、そして坐禅における数息観三昧の実践行は、全て三昧行という切り口で全く同じであり、そして三昧によって到達する境地も全く同じであります。

 

 更に最近はやりの滝行とか、あるいはアスリートとかミュージシャンの行為のある部分は、同じ三昧行として同様に評価するのが人間形成の禅の見方であります。

 

 禅の悟りのような宗教的境地は、この前頭葉が活性化されてはじめて拓かれ磨かれ深まるのであります。

 

 このように最近の脳科学は、脳の部位が科学的思考部位と宗教的感得部位に分かれていることを実証的に明らかにするとともに、この科学の進歩は、長い歴史の中で経験的に積み重ねてきた人間形成の手段とその進め方が妥当であると云うことを見事に証明してきています。

 ここに現代の新しい科学と宗教の関係が見られます。

 

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